ひよっこ散歩帖

ライトな書評・映画評・ドラマ評から、日々の雑感、ちょっぴり腰を据えて考えたことまで。自分の文章で、誰かの世界の見え方をちょっとでも変えられたら幸せです。

乙武洋匡『車輪の上』書評

乙武さんの新作。 なんか、『五体不満足』以来だとか。 「障がい者」というレッテルを、そのイメージから最も遠い「ホスト」とぶつけてみたらどうなるか試した思考実験。 乙武さんが書いているだけあって、かなりリアルに感じた。 そして結論はやはり、「障…

ケヴィン・ケリー『テクニウム』書評

だいぶ時間がかかってしまったが、ようやく読み終えた。 テクノロジーという言葉に対して持っていた、ある種のハイテク性のようなイメージが払拭された。テクニウムは生態系。特別なものではない。またいつか読み返したい。 また、自分の興味関心を見直すき…

Think the Earthほか『 未来を変える目標 SDGsアイデアブック』書評

仕事で必要になって読んだ。 大事な内容だが、驚くほどつまらないし、漫画もサムい... あと無邪気な未来信仰がウエッとくるシーンもしばしば。 SDGsの全体像はわかったが、面白い本はどうすればつくれるのかを考えさせられてしまった。

上坂徹『書いて生きていく プロ文章論』書評

良書であると共に、考えさせられた本。 ライターとしてのスタンスや根本的なマインドセットが、わかりやすく書かれている。こうした本は定期的に読むべきだなと再確認した。 同時に、自分はやはりこの人のような「職業ライター」になりたいわけではないと再…

木村直人・エザキヨシタカ『選ばれる条件 -こうやれば、突き抜けられる-』書評

仕事関係で読んだ。 よくまとまっていた。 美容師以外にも参考になりそう。

宇野常寛 編『PLANETS vol.10』書評

2〜3週間ほどかけて、大事に大事に読んだ。 「戦争→ランニング→都市」と主題が切り替わっていく美しさ、あえて議論を省略しない原稿のまとめ方、そして本書を通底する「遅いインターネット計画」。とにかく痺れたし、できるだけたくさん読まれてほしい。 「…

千葉雅也『動きすぎてはいけない』書評

本に、打ち負かされた。 期限(仕事の関係上)までに読み切ることが、できなかった。 これを書評と言っていいのかわからないが、思うところがあったのであえて書く。 なぜ読めなかったのか、考える。 前提知識の不足?論理構造が難しすぎる? そんなことはな…

ジェイソン・カラカニス『エンジェル投資家』書評

仕事関係で読んだ。 すーっと読める。 ある意味、職業エンジェル投資家というものを啓蒙しようとしているあたり、アメリカだからといって決してエコシステムが成熟仕切っているわけではなく、常に変わろうとしていると思わされる。

波頭亮『AIとBIはいかに人間を変えるのか』書評

よくまとまっていた。 ただ、特に新しい発見とかはなかった。 わりと当たり前のことが、綺麗にまとめられている印象。 AIやBIについて0から勉強したいという人向けにはいいかも。

大畠順子『離島ひとり旅』書評

素晴らしい本。 世界にはまだまだ面白く、あたたかい場所がたくさんあることが、手触り感をもってわかる。 本は旅。 旅は人生。 こういう本もっと読んでもいいかなと思った。

平本相生『成功するのに目標はいらない』書評

知人に勧められたので読んで見た。 「ビジョン型」と「価値観型」。 個人的には、「ビジョン型」も本質的には「価値観型」であり、この区分はすっきりしないと思ったが、「やりたいこと」が見つからなくて悩んでいる人にとっては、かなり強力な思考ツールに…

村田沙耶香『コンビニ人間』書評

2016年の芥川受賞作。 するすると2時間くらいで読めた。 久しぶりに小説を読んだが、エンターテイメントとしての面白さ、小説ならではの喚起される思考もあり、これからは意識的に小説を読む量を増やしてもいいかなと思った。 内容は、「普通」の人批判とも…

千葉雅也『別のしかたで:ツイッター哲学』書評

ずっと気になっていたこの本、ようやく読めた。 自分は元から千葉雅也氏のTwitterが極めて好きだ。だからそのTweetを再構成したものも好きに決まっている。 そう思い、手に取った。 すると、思った通り、ページを繰る手が止まらずにするすると読めた。実に愉…

藤森照信『人類と建築の歴史』書評

友人に勧められて読んだ。 「建築」と「人類」の歴史という壮大なテーマを、旧石器時代から遡って解き明かしている。 有史以前の割合が多かった印象。 面白い箇所もあったが、ややマニアック過ぎて退屈を感じざるを得なかった。 建築に興味がある人が、精読…

濱野智史『アーキテクチャの生態系』書評

非常に面白く、かつ体系的な日本情報社会論。いつかこういうものを書きたい、と強く思った。まさに、ビジネス・テクノロジーと人文知の接続。 ここで取り上げられている事象自体はかなり古いし、未来予測も外れているところが多い。 けどこの本には普遍性を…

朝倉祐介『ファイナンス思考』書評

仕事での必要性もあり、読んだ。 朝倉氏の紡ぎ出すひとつのエッセイのように、流れるように読めた。 内容はどれも納得のいく話ばかり。 個人的にはこのファイナンス思考、人の生き方にも当てはめてみるともっと面白いのかなと思った。

千葉雅也『思弁的実在論と現代について:千葉雅也対談集』書評

前半はとにかく難しかった。哲学的知識が豊富な人向けに、専門用語がバンバン使われており、ほとんど理解できず...もっと勉強しようと思った。 後半は対談相手が非哲学者ということもあり、比較的読みやすかった。 内容とは全く関係ないが、千葉さんのような…

石黒圭『文章予測ー読解力の鍛え方』書評

勉強のために読んだ。 かなり良書。 問いの予測と答えの予測。(前者がメイン。後者はテクニカル。) 深める予測と進める予測。 フォルダ作り。 これらをいかに使い分けるかが、良い文章のカギ。 もちろん、実際に書いて編集してもらって編集して...を繰り返さ…

磯崎哲也『起業のファイナンス』書評

この前読んだもの。 前半部は、ベンチャー起業家・投資家・VCが何を考えているのか、簡単な専門用語と共に学べて良かった。断片的だった知識が整理されていく感覚が心地良い。 後半部は、やや専門的で、実際に業務で使う人以外は流し読みでいい気がした。

伊藤穰一『教養としてのテクノロジー』書評

基本的なことが書かれていて、真新しい論点はなかった印象。 アンスクーリングの概念や、日本人がスケールを志向しない話などは興味深かった。 伊藤さんのがっつり書いた本も読んでみたい。

大澤真幸・見田宗介『二千年紀の社会と思想』書評

わりとライト目な対談本だと思って手に取ったら、そこそこライトだがそこそこ重かった。 大澤真幸と見田宗介の互いにリスペクトしあう師弟関係が心地良い。 テーマとしては震災がメインなので時勢には載っていないが、2人の思考のエッセンスが凝縮されている…

佐々木大輔『「3か月」の使い方で人生は変わる』書評

サクッと読めるライトなビジネス書。 前からfreeeファンだった自分にとっては、非常に楽しんで読めた。 freeeのビジョンがより奥行きをもって理解できる。 実践的な面で言うと、googleカレンダーを使ったタイムマネジメントは自分と似たところがあり、このや…

きたみりゅうじ『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました』書評

まさに、これからフリーになるライター目線でわかりやすく書かれている。 とりあえず、freeeとかで帳簿をつけようと思う。 あと開業届の申請可否も検討したい。 このあたり、詳しい人に教えてもらいたい。

望月重樹『開業から1年目までの個人事業・フリーランスの始め方と手続・税金』書評

かなり詳細に書かれているが、ライターというよりはきちんと店舗などを持つ人向けな内容の印象。 ライターなどWeb系の職種に特化した本があるとよい。

フリーランスにとっての打ち合わせ

今日はフリーランス生活初の打ち合わせがあった。 打ち合わせ自体は、人との接点が持てて精神衛生上良いような気がするが、そもそもフリーランスになると打ち合わせへのハードルが上がってしまうようにも思える。 ハードルというより、消費MPとでも言うべき…

ほぼ未経験だけど会社を辞めて、フリーランスになりました

いままで9割方書評ブログと化していたこのブログ、これからはちょくちょく日記的に使っていこうかなと思います。 きっかけは、会社を辞めてフリーランスの編集者・ライターになったことです。 それだけ聞くとよくあることに感じるかもしれませんが、ポイント…

見城徹『読書という荒野』書評

面白くて一気に読んでしまった。 見城徹氏の価値観には同意できない部分も少なくないが、有無を言わせぬ熱量を感じた。 熱量は価値観を凌駕する。 編集者としてのあるべき姿を考えさせられた。 『編集者という病』も読みたい。

落合陽一『デジタルネイチャー』書評

感覚的に理解する本。 結局言っているのは計算機自然的な世界、すなわちデジタルネイチャーの到来ということだけな気がする。それを、ただひたすらに超言語的に畳み掛けてくる。 オープンソースと資本主義の関係の部分があまり理解できなかったので、再読し…

安宅和人『イシューよりはじめよ』書評

だいぶ前に読んだ。 内容自体は、ある種コンサルティング業界における当たり前のことを語っているだけで真新しさはなかったが、宇野常寛氏の書評「この本は言語を超えようとした」を聞き、もう一度読み返してもいいかもなという気持ちになった。

西垣通『AI原論』書評

情報学者である西垣氏が、工学知と人文知を縦横無尽に渡り歩きながら、“AI”にまつわる問題系を鮮やかに解きほぐしていく。 AIをめぐる議論を、素朴実在論、相関主義、思弁的実在論といった近代哲学、さらにはユダヤ一神教的世界観に惹きつけて検討している。…