ひよっこ散歩帖

ライトな書評・映画評・ドラマ評から、ちょっぴり腰を据えて考えたことまで。自分の文章で、誰かの世界の見え方をちょっとでも変えられたら幸せです。

書評

唐木元『新しい文章力の教室』書評

全てのライター・編集者必読の書。 守破離の守がすべて詰め込まれている。 文章を書くとき、毎回参照したいし、定期的に読み返したい。

若林恵『さよなら未来』書評

なかなか読書に時間が割けない中、スキマ時間で読み進めてようやく読了。 とにかく心躍るエッセイ集。 多様なテーマを扱いながらも、その根底に貫かれる人文知への深いリスペクト。 「未来」「テクノロジー」「イノヴェーション」といった言葉への違和感。 …

根津孝太『カーデザインは未来を描く』書評

オンラインサロンに向けて再読。 読むたびに、車というプロダクトの面白さを実感する。社会を映し出す鏡。 いつか、今の社会にはびこるWebサービスやアプリについて、こんな論考を書いてみたい。書けるようになりたい。 これの家電版とかも読んでみたい。

橘宏樹『現役官僚の滞英日記』書評

現役官僚の橘氏がオクスフォード留学した際に感じたことをまとめた記事。 ただイギリスを持ち上げて日本を卑下するのではなく、取り入れられるところ/取り入れられないところを峻別しようする知的姿勢が素晴らしい。 エリートとは何か、を改めて考えさせられ…

堀江貴文・落合陽一『10年後の仕事図鑑』書評

だいぶ前に読んだ。 堀江さん・落合さんが普段論じていることがコンパクトにまとめられている入門編的な本。 各論を掘り下げたような本も読んでみたい。

秋元康『企画脳』書評

2時間程度で読める本。 結局言いたいことは2つで、 ・普段から日常のあらゆることに興味を持ち、頭の中にストックすべし ・予定調和ではなく、世間の潮流から逆張りすべし の2つ。 ある意味、秋元康がいかに戦略的にコンテンツを生み出しているかがわかる。 …

宇野常寛『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』書評

宇野さん入門編といった感じの本。 他の著書でがっつり論じられているトピックが、講義形式でかなり噛み砕いて述べられている。 宇野さんの著書に慣れ親しんでいる人にとっても、復習という意味で有効。 また中には、少年誌論やオカルト論など、他の著書では…

竹田青嗣・西研『はじめての哲学史ー強く深く考えるために』書評

久々の書評。 ページ数のわりに、西洋哲学史のエッセンスがこれでもかと網羅された、とても重厚な書物だった。 現代において哲学者は特殊な専門職だと思われがちだが、この本を読むと、哲学がいかに普遍的な問題なのかがわかる。 誰もが当たり前に感じる感覚…

苫野一徳『子どもの頃から哲学者』書評

学生の頃哲学を専攻していたにも関わらず、体系的な哲学の知識が身についていないなぁと日々感じていて、まず手始めにと手に取ってみた一冊。 結果、かなりの良書だった。 教育哲学者・苫野一徳が自らの半生を振り返りながら、主要な哲学者(ヘーゲル、ニーチ…

落合陽一『日本再興戦略』書評

最近話題のこの本。 読んだのが割と5日前とかで、やや印象薄くなってるのですが簡潔に。 面白い論点がこれでもかというくらい詰め込まれていた。士農工商の話とか、東洋思想の話とか興味深かった。 ただ、詰め込み過ぎているがゆえに一つ一つの論点の説明が…

千葉雅也『メイキング・オブ・勉強の哲学』書評

昨年4月に刊行された名著『勉強の哲学』の副読本が出たので、読んでみた。 そもそも『勉強の哲学』は昨年自分が読んだ本の中で最も印象に残った本で、3回くらい再読したくらいなので、その副読本が出たということで迷わず購入。 サクッと通読でき、とても楽…

宮台真司・二村ヒトシ『どうすれば愛しあえるの』書評

最近話題のこの本を読んでみた。 元々書店などで目に入って何となく気になってはいたのだが、最近宮台真司の『終わりなき日常を生きろ』を読んだ際に、「終わりなき日常」への処方箋として「性愛」が引き合いに出されていたことに興味を持ち、似たようなテー…

柴那典『ヒットの崩壊』書評

宇野常寛氏との対談、『渋谷音楽図鑑』などで前々から気になってはいた柴氏の代表作。 ・90年代的「ヒット」がどんなものだったのか ・今それがどのように崩れていっているのか ・そしてその次に来るものは何か ということが、小室哲哉や水野良樹をはじめと…

宮台真司『終わりなき日常を生きろーオウム完全克服マニュアル』書評

数冊分とっていた読書メモだが、一旦つけるのをやめることにした。 理由は、メモを取ったことに満足してその本をメタ的に見て思考するということができなくなるのと、メモを取っても取らなくても頭に残る度合いが特に変わらない気がしたからである。 それな…

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』書評

前から気になっていたが、初めて読んだ。 タイトルのキャッチーさとは裏腹に、かなりしっかりとしたテクスト論で、後半とかは消化不良感も否めない。 ただ、本を読むのではなく本を教養体系に位置付けること、本の内容は決して一意的ではないことは身にしみ…

大塚雄介『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』書評

新年一発目の書評。 国内最大級の仮想通貨取引所「coincheck」を運営するコインチェック株式会社の創業者である大塚雄介が、ビットコインとブロックチェーンの仕組みについて基礎から解説した本です。 少額ながらも仮想通貨投資をはじめることにしたので、そ…

ビル・バーネットほか『LIFE DESIGN』書評

ライフデザインというものを、デザイン的に取り組むことでハックしようとしている書。 非常に具体的で参考になった。 結局、自己分析してある程度方向性を定め、あとはプロトタイピング的にPDCAサイクルを回していくしかないのだと思った。 そして、そのPDCA…

泉谷閑示『仕事なんて生きがいにするな』書評

書店でふと目にとまって衝動買いした一冊。たまにはこうした読書も悪くない。 まず前提として、構成が粗く、論点を頭の中で整理しにくい。。。 同じようなことを何度も繰り返しているので、構造がとらえづらかった。 著者の本業は医師であり文筆家ではないか…

宇野維正『小沢健二の帰還』書評

ちょっと小休止で、ライトな本を。 久しぶりに、「中身から何か知的体験をしているというわけではなく、ただ文字面を追いかけているだけで快楽を感じる」読書をした。 本書は、音楽評論家であり生粋のオザケンファンでもある宇野さんが、1997〜2017年の空白…

落合陽一『魔法の世紀』書評

最近一世を風靡している落合陽一の代表作を読んでみた。 まだ落合陽一が有名になる前、その才能をいち早く見出した宇野常寛が「君は絶対にそのうち有名になる。だからこそ、メディアでもてはやされる前に一冊堅い本を書いておいた方がいい。」と口説いてPLAN…

佐藤航陽『お金2.0』書評

たまにはビジネス書も読んでみたので、その書評を。 内容のざっくりとしたまとめ 「お金とは何か?」という問いに対する仮説を提示 そのうえで、資本主義の時代から価値主義の時代への移行期だと指摘 価値主義の時代は、人生の目的/意義がお金よりも重要なフ…

國分功一郎『中動態の世界』書評

今日は書評をば。 先日読んだ『暇と退屈の倫理学』に続き、國分功一朗氏の話題作を読んでみました。 思ったより『哲学書』といった感じでした。笑 かなりわかりやすい文体で書かれてはいましたが、久しぶりにこうした哲学書を読んで、学生の頃の気持ちを少し…

東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』書評

今日は先日毎日新聞か何かの賞を受賞したことで話題になったこの本。 気鋭の思想家・東浩紀の気合作である。 『動物化するポストモダン』『ゲーム的リアリズムの誕生』『弱いつながり』の三冊は読んだことがあったし、現代社会をどう生きるかという命題を考…

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』書評

先週書きかけた『僕が「女遊びしてこそ男は一人前だ」的な価値観が嫌いな理由』という論考ですが、なかなか書き進める時間が取れず、続きが書けていません... ただこれは僕にとってかなり大事なテーマの一つなので、できれば今月中には続きを書きあげたいと…

宇野常寛『母性のディストピア』書評

今日は書評です。 ここ1,2週間くらいちまちまと読んでいた宇野常寛著の『母性のディストピア』をようやく読了。 ざっくり言うと、戦後の日本社会を覆いつくす性質(「母性のディストピア」)について、サブカルチャー(とりわけ宮崎駿・富野由悠季・押井守とい…