ひよっこ散歩帖

ライトな書評・映画評・ドラマ評から、ちょっぴり腰を据えて考えたことまで。自分の文章で、誰かの世界の見え方をちょっとでも変えられたら幸せです。

アジズ・アンサリ『マスター・オブ・ゼロ』ドラマ評

今話題のこの作品、一気見しました。

 

 

一話あたり30分以下とライトに見ることができる。毎日仕事終わりの癒しだった。

 

 

この作品は、インド系アメリカ人が主役ということもあり多文化主義的文脈から語られることが多いような気がするが、本質はそこではないと思う。

 タイトルにもある通り、何者でもない「マスターオブゼロ」がいかに生き抜いていくかというテーマが主題だろう。

 

 仕事もプライベートもいまいちパッとしないままフラフラと生きていたら30代を迎えてしまった売れない俳優・デフが、仕事・結婚などのライフイベントに向き合う。

「もっといいものがあるんじゃないか」「自分が100%良いと思えないものを選んでしまっていいのだろうか」と、何かを選び取る決断をできないまま、大事なものを失っていく。Google検索を駆使して選択肢を吟味している様は非常にリアルだ。

そして最後には、はじめから燃え盛る炎を求めるのではなく、どんな炎もはじめはかがり火だという前提を受け入れたうえで、火持ちの良いかがり火を育てていくことの大切さに気付く。

 

そこでこの物語は終わる。

ではどうやってそのかがり火を育てていくのか、という点はシーズン2に期待したい。

 

全体的に、「マスターオブゼロ」がいかにして生きていくかというテーマは良かったが、もっと踏み込んで考えてほしかったなとは思った。

シーズン2に期待。